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スッキリ生活アドバイザー宮城美智子の「片づけ上手は老い上手」  第2回 過去ではなく未来に目を向けられると片づけが進みます

1万人以上の片づけをサポートし、スッキリ生活アドバイザーとして講演会やテレビ、雑誌などでも活躍中の宮城美智子さんによる「親の家の片づけで子どもに迷惑をかけない」ためのアドバイス。第2回目のテーマは「過去へのこだわり」です。

 

暮らしに過去を持ち込まないのが、今を元気に生きる秘訣

 

「モノの片づけは心の片づけ」と言いましたが、この「心の片づけ」を邪魔しがちなのが、過去へのこだわり。

 

古い家には、昔たくさんの親戚が集まって冠婚葬祭をしたときの食器やお盆、座布団などが山のように残されています。遠方からの客人が泊まるための布団も、何組も押し入れの中にしまったまま……。「あのころは人がたくさん来て楽しかった」と懐かしみ、あのような情景は再び見られないとわかっていても、当時の道具がそばにあると昔に戻れる気がする……。その気持ちはわかります。でも、大事なのは“昔”より“今”です。

 

思い出深い食器や客布団も、今を生きる自分にとって重荷になっているのなら、お別れするのが正解ではないでしょうか。私たちはせっかく現代を生きているのですから、後ろばかり振り返らずに、今を楽しまなければもったいない!

今の生活を大事に、元気に生きるためには、“暮らしにたくさんの過去を持ち込まない”という姿勢が必要だと思います。

 

男性の場合、定年退職して妻も亡くし、とくに夢中になれる趣味もなかったりすると、過去の栄光ばかりを語りたがる人が多いようです。昔、俺はこういうすごい仕事をしていた、部下もたくさん使っていた、みんなに一目置かれていたというような自慢話です。

そして、その証でもあるスーツやネクタイを手放そうとしない。現役時代の書類をいまだに手元に置いていたりする。仕事人間だった人にとって、こうしたモノは、自分の歩んできた人生の証であり、プライドそのものなのでしょう。

 

しかし、たとえば高齢者施設に入居することになったとき、スーツや書類などをすべて新居に持っていくことは不可能。現役時代のモノへの執着が強すぎるときは、「今を元気に生きるコツは、過去にこだわらないことですよ」と言うことにしています。「過去にこだわらないほうが、元気に生きられますよ。元気に老いていけますよ」と言うこともあります。

 

すると、ハッとする人が多い。ここで気持ちを切り替えて、過去ではなく、今や未来に目を向けようと思えた人は、片づけが進みます。そして、元気にシンプルライフをスタートできるのです。

 

モノを片づける先に、自分らしい生き方が待っている

今現在、幸せだと思える人は、過去にこだわっていません。「昔はよかった」と過去ばかり振り返る人は、今の自分に不満があるのです。ならば、片づけをして、自分が本当にやりたいことを見つけてください。もしかすると、今まで知らなかった自分に出会うことができるかもしれません。自分を愛せる自分になれば、もう過去に執着せず、前を向いて元気に生きていけると思います。

 

モノを片づけながら心の片づけもできると、頭の中がクリアになります。価値観がはっきりして、ものごとに対する視点も定まるので、周囲の声に惑わされない、自分らしい生き方ができるようになるのです。

後悔のない人生を送りたい、今の自分を変えたい、もっと生き生きした毎日を送りたい……。そう願うなら、片づけをしてください。「モノの片づけは心の片づけ」ですから、モノを片づけることで心の交通整理ができれば、現在よりももっと“幸福感”を実感できる日々が待っています。

 

第3回へ続きます

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宮城美智子さんプロフィール画像edited宮城美智子 みやぎ・みちこ スッキリ生活アドバイザー、収納コーディネーター

1947年滋賀県生まれ。50歳からアート引越センターに勤務し、主婦経験を生かしてアートエプロンサービス(家庭内の片づけをサポート)の担当部長となる。片づけや掃除の独自のノウハウを構築し60歳で独立。現在はハート引越センターの収納サポートレディ育成のほか、高齢者住宅の収納プランニング、講演活動、テレビ・雑誌などで活躍中。これまで1万人以上の片づけをサポート。特に高齢者の家にあふれるモノの整理をアドバイスし、多くの人から感謝されている。

宮城美智子オフィシャルサイト  http://theworks.co.jp/miyagi/
ハート引越センター http://www.hikkoshi8100.com/