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住宅リフォームのプロ「パナホーム」が手がける「親の家のリフォーム」 第3回 ~高齢の親との住まいに必要な、安全上の設え~

リフォーム市場の拡大とともに増えている、二世帯住宅へのリフォーム件数。親も子も快適に暮らすための間取りについて前回お話いただいたが、高齢の親との同居では、とくに気にかけておきたい室内の設えもあるという。小さなことのように思えて実は重要度高め、その箇所とは。

 

安全対策・身体的負担の軽減のポイントは、
手すり・コンセント

 

「ご高齢のご両親と同居される場合は、バリアフリーのほかに手すりの設置もお考えになると思います。廊下・階段はもちろんですが、重要なのはトイレの手すりなんです。トイレというのは、たとえ車いす生活になったとしてもひとりで行きたいところ。ですからただ手すりを設置するだけではだめで、使う人にあわせて取り付けることが大事です。私も『実際の現場で大工さんがいるときに、一番使いやすい高さを測りましょう』と必ず提案しております」(水口さん)

 

これまでキッチンや浴室など住宅設備機器のデザインを担当してきた水口さんだからこそわかる、高齢者に合わせたくらしの設計はほかにもある。

 

「明かりなどをつけるスイッチはほとんどの場合、床から1200mm(1m20cm)の高さにあります。これは私たちにとっては使いやすい位置なのですが、高齢者になるとだんだん使いづらくなります。車いすの生活では、なおさらスイッチの位置が高くなり不便が生じますから、もし壁紙を変えるならスイッチの位置も900~1000mmに変更されるといいと思います。

また、コンセントはだいたい床から250mmの高さにあります。これも若い世代は問題ないのですが、万が一車いすの生活になったら、タイヤの向こうでコンセントを抜き差しすることになります。ですからご高齢のご両親と住まわれる場合は、動作に不便が生じないよう、450mmの位置につけるのをおすすめしています。この場合コンセントに挿したコードで転倒しないよう、触るとすぐに外れるマグネットコンセントをお勧めしています」(水口さん)

 

築100年を超えても再生可能「古民家リフォーム」

 

二世帯住宅へのリフォームを選択する人がいる一方、誰も住まなくなった親の家をリフォームするケースも少なくはない。とくに先祖代々暮らしてきた家屋の場合、その家がいわゆる「古民家」であることも。パナホームでは築100年以上の古民家のリフォームをいくつも手がけているが、基本的には柱と梁がしっかりしていれば、再生が可能なケースが多いという。

 

「古民家をリフォームされる場合の大きなポイントは、耐震性と断熱性です。日本は地震の国ですから耐震補強は欠かせません。阪神大震災の後、数回にわたり改正された建築基準法をクリアするための補強が必要なのですが、釘や金物で固定しないほぞ組など、古民家の構造は一般的な木造住宅とは違うため、耐震補強の設計も一般的なものとは異なります」(川見さん)

 

パナホームが手がけた古民家再生の実例(一部)

奈良県Fさま邸

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パナホーム第3話 画像2risaizu

幕末に建てられた築150年の家を親から受け継ぎリフォーム。古い柱や梁をできるだけ残し、古民家の良さが引き立つような内装に。江戸時代にタイムスリップしたかのような味わいのある外観に、この建物の歴史の深さがうかがえる。

 

積雪地帯や山間部などにある古民家はとくに、断熱性もリフォーム時の大きなポイント。とくにキッチンや浴室などの水回りの冷えは心身に負担をかかるため、床や壁、天井に断熱材を入れるのも必要となる。

 

これまでパナホームが手がけた二世帯住宅や古民家のリフォーム実例などを紹介してきたが、そこにはもちろん親家片エピソードがある。次回は水口さんが出会った母と息子の「親家片ストーリー」をお届けします。

 

(第4回へ続きます)

まとめ/長澤幸代

 

パナホーム川見さまプロフィールパナホーム リフォーム株式会社 事業企画センター所長 川見竜一さん
1987年㈱リクルートに入社し、住宅情報の営業、ホットペッパー・タウンワークの企画・マーケティングなどを歴任。バイトルドットコムのディップ㈱の営業企画担当役員を経て、2011年パナホーム㈱に入社。商品開発部門の企画・マーケティングを歴任し、2013年10月のパナホーム リフォーム㈱の創業からリフォーム事業の企画・マーケティングを担当。




パナホーム水口さまプロフィールパナホーム株式会社 リフォーム技術部 チーフマネージャー 水口努さん
1988年松下電工株式会社(現:パナソニック)入社。キッチン・バスなど住宅設備機器のデザインを担当。2004年より中国でパナソニックの内装業を立ち上げ、素敵な空間づくりで中国人の心をつかむ。2013年4月よりパナホーム株式会社においてリフォーム部門の設計を担当。

パナホーム株式会社 http://www.panahome.jp/