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編集長・古戸郷子からのメッセージ 「気持ちよく新しい年を迎えるために、ラストスパート?」

「とにかく年内に終わらせなきゃ」
私もひたすら前へ進んでいました

 

今年もいよいよ、残りひと月を切りました。なんとか今年のうちに片をつけたい、もうひと踏んばりと思って、親家片のギアを上げようと思っている方もいらっしゃると思います。

 

私も数年前の今ごろ、両親を自宅近くに呼び寄せたあと、それまで住んでいた賃貸の公団住宅の片づけのラストスパートにかかっていました。その年の6月に引っ越しをしたのでほぼ半年間、月に2~4回週末に通いながら、両親の様子も見ながらという状況でしたが、とにかく膨大な量の荷物を処分しました。

 

正直なところ、始めた当初はもっと早くすむのではないかと思っていました。ところが古い公団住宅の間取りですから、押入れは深いし、天袋もあり、納戸まであり、棟の前にある倉庫も借りているという状況。

 

相当な荷物の量がつまっていて当然なのですが、何がどれだけつまっているか、予想もせずに始めて、こんなに時間がかかると思わなかったなあと思いつつ片づけを進めているうちに、その年も残り少なくなっていき、とにかく年内に終わらそうと決めたのだと思います。

 

家具や布団や……いろいろなものが大きなトラックやゴミの運搬車に載せられて出ていった光景は、目に焼きついているのですが、とりあえず両親は自宅近くに呼び寄せてひと安心だし、あとは片づけだけだわ~と突っ走っていたのだと思います。立ち止まったら、捨てることに迷い始めたら、前に進めなくなるんじゃないかという不安を感じながら、深く思い悩むことを避けて頑張っていたようです。今ごろになって、そのころを断片的に思い出すことがあります。

 

親家片風景の写真を撮るくらいの余裕を持つことが大切

 

今思えば、両親が長年暮らしていた家でしたが、自分も学生時代を過ごした家でもあり、家族の歴史を作ってきた場所だったのに、1枚の写真も撮らなかったのですね。そして、ほんとうにたくさんのものを処分してしまいました。

 

せめて、1枚でも2枚でも写真を撮る気持ちの余裕があったら、とりあえず新居に運んで、しっかり選別しながら、親とも話をしながら進められたかもしれません。

 

親家片の写真を撮っている方は、ほんとうにごく少数です。そんな余裕がない、そんな気持ちになれない方がほとんどです。でも、携帯電話にカメラがついているのがふつうの時代です。日記がわりに撮ってみることで、状況も自分も少しは冷静に見られます。ほんの少しでも、ここが片づいた! と実感できます。焦る気持ちが少し、和らぐのではないでしょうか。親や兄弟、友人にも、サービスを頼む業者の人にも話がしやすいです。

 

写真を撮るくらいの余裕、たぶんそれを心がけておくのが、とても重要なのではないかと、今になって、つくづく感じています。

 

日ごとに年末ムードが高まり、自分の用事も何かと増えるこの時期。朝晩の冷え込みが急に厳しくなってくるこの時期だからこそ、「今年こそは」という思いをなんとか少し抑えて、くれぐれも無理をしないように、先を急ぎすぎないようにしてくださいね。