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住宅リフォームのプロ「パナホーム」が手がける「親の家のリフォーム」 第2回 ~親と同居のためのリフォーム。二世帯住宅にはどんなタイプがある?~

(写真はパナホーム リフォーム施工物件)

 

「親の家の片づけ」の過程において、多くの人が直面する「家そのものをどうするか」といった問題。売却や賃貸物件にするほか、「二世帯住宅にして親と同居する」ことを選ぶケースも少なくはない。

ただ、二世帯住宅といってもその形はさまざま。世代もライフスタイルも違う2つの家族が快適に暮らせる間取りは、どんなものなのか。パナホームが手がけた二世帯住宅へのリフォーム実例とあわせ、お話いただいた。

 

ポイントは独立性を左右する
玄関・キッチン・浴室

 

パナホームが行う二世帯住宅へのリフォームは、プランニングの目安として「4つの同居スタイル」を提案している。親・子の世帯を完全に分離する「独立タイプ」、玄関や階段など一部を共用する「半独立タイプ」、玄関、浴室、洗面室を共用する「半融合タイプ」、そして、リビングやキッチンなど多くの空間を共用する「融合タイプ」の4つだ。

 

「二世帯・三世帯住宅は、旦那様、奥様どちらのご両親と同居するかで、プランニングに大きな違いが出てきます。ご家族のライフスタイルやご意見にもよりますが、お互いにつかず離れずといった半独立タイプは旦那様のご両親と同居される場合に、大家族の暮らしを楽しみつつ、お互いの生活を尊重できる半融合タイプや、家事や子育ての協力がしやすい融合タイプは、奥様のご両親と同居される場合に選ばれることが多いです」(水口さん)

 

第一歩目のカギとなるのは、玄関・キッチン・浴室を共用するかしないか。これが独立性を左右するという。

 

「本音を隠してしまう」。これが大きな壁に

 

パナホームでは、快適に暮らすための家づくりを依頼主やその家族と何回もじっくり話し合う。

 

「1回目の話し合いでは、まず結論は出ません。少なくとも3回は話し合いの場を設けるようにしています。なぜかというと、何回もご意見をお伺いしないと、本音を打ち明けてくださらないケースが多いからなんです。快適な二世帯同居が実現するか否かは、私たちがそこで本音を引き出せるかどうかにかかっている。とくに水回りは、家事をされる奥様にとっては重要です。たとえばお打ち合わせの席で、旦那様が『キッチンは一緒でいいじゃないか』と言って奥様がうなずいたとしても、本音はそうじゃない場合もあります」(水口さん)

 

プランニングの段階では、親世代・子世代といったくくりの前に、夫婦という小単位での考えや方向性が最も大切になる。そして忘れがちな「孫」の意見も水口さんはなるべく取り入れるようにしているという。

 

「お孫さんの意見も重要です。ご両親は相談のテーブルにつくことができますが、お孫さんはそうじゃない場合が多い。でも実は希望があって、新しい生活スタイルへの不安も抱えていらっしゃいます。リフォームは建て直しではないので、すべての希望が叶うわけではありません。できること・できないことがあるのがリフォームの難しさですから、お客様のご意見や家族構成を考慮することはとても大切なのです」(水口さん)

 

パナホームが手がけた、二世帯住宅のリフォーム実例(一部)

 

【半独立タイプ・妻の両親と同居】

築38年の3階建住宅をリフォーム。足腰への負担を考え、1日に何度も階段の昇り降りをせずにすむよう、親世帯は1階にLDK・浴室・洗面室・トイレすべてを組み込んだ。共用スペースは玄関。2階のLDKに集まり、家族全員で食事をする時間も増えたという。

 

親家片パナホーム第2回 1

家族全員が集まってもゆったりできる、2階部分のLDK

 

親家片パナホーム第2回2

 

親家片パナホーム第2回3

L型のソファと大きなテーブルを配した親世帯のLDKとコンパクトなキッチン

 

 

【融合タイプ・夫の両親と同居】

車いすを利用して暮らす母親の生活をサポートするため、築48年の2階建て住宅をリフォーム。寝室や子ども部屋以外は、ほぼ共用。車いすがスムーズに通れる通路や、生活動線の確保を基本に、バリアフリーでより快適な暮らしができる間取りへ改修。

 

親家片 パナホーム 第2回4

共用スペースのLDKは、敷居をなくし広々としたバリアフリーに

 

親家片パナホーム第2回5

 

親家片パナホーム第2回6

 

親家片パナホーム第2回7

車いすでも使いやすく、動きやすい洗面室、トイレ、浴室。水回りは広めに設計

 

親と同居のためのリフォームでは、バリアフリーを始めとする安全面への配慮が不可欠。現在、親が健康で生活上何も困ることがなくても、加齢による身体的な能力の変化を見越すのも必要になってくる。次回は、子世代はもちろん、親自身でも気づかない「設え(しつらえ)」についてうかがう。

 

第3回へ続きます

まとめ/長澤幸代

 

パナホーム川見さまプロフィールパナホーム リフォーム株式会社 事業企画センター所長 川見竜一さん
1987年㈱リクルートに入社し、住宅情報の営業、ホットペッパー・タウンワークの企画・マーケティングなどを歴任。バイトルドットコムのディップ㈱の営業企画担当役員を経て、2011年パナホーム㈱に入社。商品開発部門の企画・マーケティングを歴任し、2013年10月のパナホーム リフォーム㈱の創業からリフォーム事業の企画・マーケティングを担当。




パナホーム水口さまプロフィールパナホーム株式会社 リフォーム技術部 チーフマネージャー 水口努さん
1988年松下電工株式会社(現:パナソニック)入社。キッチン・バスなど住宅設備機器のデザインを担当。2004年より中国でパナソニックの内装業を立ち上げ、素敵な空間づくりで中国人の心をつかむ。2013年4月よりパナホーム株式会社においてリフォーム部門の設計を担当。

パナホーム株式会社 http://www.panahome.jp/