専門家に聞く

住宅リフォームのプロ「パナホーム」が手がける「親の家のリフォーム」 第1回 ~増加傾向にある、親との同居のための二世帯リフォーム~

(写真は パナホーム リフォーム施工物件)

 

「親の家を片づける」というと、家の中にあるモノの片づけをどうするかといったことに意識が向きがちだが、「家そのものをどうするのか」という問題も避けては通れない。

 

親の家の片づけに直面したとき、選択肢として浮かぶ「リフォーム」。

現在のリフォーム事情をはじめ、親家片にまつわるリフォームの具体例などを、パナホーム リフォーム株式会社 事業企画センター所長 川見竜一さんと、パナホーム株式会社 リフォーム技術部 チーフマネージャーの水口努さんにうかがった。

 

リフォーム市場は今後も拡大予想、
パナホームへの問い合わせ件数も増加中

 

親が亡くなった場合や高齢者向けの施設に入居するなど、親の家に住む人がいなくなるケース、親の介護などが理由で同居することになり、自分たちの家もしくは親の家に移り住むケースなど、家族の数だけ「家の片づけかた」がある。

そのことが、報道などで頻繁に伝えられている空き家問題に繋がる可能性もあるのだが、一方で、ここ数年にわたり住宅リフォームの市場が拡大しているという流れもある。

 

パナホーム株式会社では、近年の空き家増加を重要な問題として捉えており、数年前より「空家再生計画」といった事業を開始している。

 

「日本には現在、800万戸を超える空き家があるとされていますが、空き家のまま放置しておくと老朽化を早めますし、震災などが起こった場合には倒壊する可能性も高まります。また、不審者が近づきやすいなど、防犯上のデメリットも。こういった問題をふまえ、『もし空き家でお困りのことがあればご相談ください』と呼びかけを始めたのが4年前になります」(川見さん)

 

総務省統計局「平成25年住宅・土地統計調査 結果の要約」によると、空き家数は5年前にくらべると63万戸の増加、そして空き家率は過去最高になった。

 

「この問題がここまで大きくなった背景にはさまざまな理由が潜んでいますが、空き家を取り壊すのにも費用がかかりますし、かといって子世代が移り住めるかといったらそう簡単にはいきません。子世代にも自分たちの生活があり、立地的にも厳しいということで放置せざるを得ない状況もあります。ただ、この問題について行政が対策をとり始めているのはニュースなどでも伝えられていますが、地方などでは、空き家をリフォームして田舎暮らしをしたい人向けに賃貸物件にするのはどうかと、補助金としてリフォーム費用を一部負担する動きも出てきています」(川見さん)

 

親家片にかかわらず、東日本では親と同居のためのリフォームが増加

 

実際、パナホームにもリフォームに関する依頼が増え、1日何十件と問い合わせがあることも珍しくないそうだ。

 

「先日も東海地方にお住まいの方より『九州にある親の家が空き家になった。自分も定年を迎え、老後はそこで暮らしたいのでリフォームを考えている』といったご相談をいただきました。また、『祖父母が住んでいた木造住宅が空き家となり、住める状態にするべくリフォームをしたい』という、出産を控えた方からのご相談もありました。このようにご実家に戻られてリフォームするケースは増えてきましたね」(川見さん)

 

親の家をリフォームする目的は、(リフォームして)賃貸にする、売却する、子世代が移り住む、または同居するパターンが考えられる。パナホームにおいて、空き家をリフォームするのは親が亡くなった場合がほとんどとのことだが、子世代が移り住む、同居するためのリフォームが実際は多いという。

ちなみに、その傾向が顕著に現れているのが東日本。理由は2011年に起きた東日本大震災にある。

 

「震災のあと、2011年の夏や秋以降から、首都圏から東北地方にかけての東日本で、親と一緒に住みたい、子どもと一緒に住みたいと二世帯同居を考える方が多くなりました。震災が起きた日、首都圏では交通機関がマヒし、歩いて自宅まで戻られた方がたくさんいました。親や子どもと連絡がとれない、安否がわからないといったことも経験されているのも、大きいと思います」(川見さん)

 

親との同居件数が増えた背景には、首都圏では地価が高く、若い子世代が自分たちの収入で物件を購入するのが困難になっていることもあるようだ。

 

第2回へ続きます

 

まとめ/長澤幸代

 

 

パナホーム川見さまプロフィール
パナホーム リフォーム株式会社 事業企画センター所長 川見竜一さん
1987年㈱リクルートに入社し、住宅情報の営業、ホットペッパー・タウンワークの企画・マーケティングなどを歴任。バイトルドットコムのディップ㈱の営業企画担当役員を経て、2011年パナホーム㈱に入社。商品開発部門の企画・マーケティングを歴任し、2013年10月のパナホーム リフォーム㈱の創業からリフォーム事業の企画・マーケティングを担当。




パナホーム水口さまプロフィールパナホーム株式会社 リフォーム技術部 チーフマネージャー 水口努さん
1988年松下電工株式会社(現:パナソニック)入社。キッチン・バスなど住宅設備機器のデザインを担当。2004年より中国でパナソニックの内装業を立ち上げ、素敵な空間づくりで中国人の心をつかむ。2013年4月よりパナホーム株式会社においてリフォーム部門の設計を担当。

パナホーム株式会社 http://www.panahome.jp/