専門家に聞く

引っ越しのプロ「ヤマトホームコンビニエンス」が行う親の家の片づけ 第5回(最終回) ~第三者が入ることで“大変さ”が心身ともに軽減される~

引っ越しというと業者に依頼するのが一般的で、タンスやベッドなどの大型家具をひとりで運びだそうと考える人は、ほとんどいないはずだ。

しかし、親の家を片づけたり、年老いた親が暮らしやすいように住環境を整えようとするときは、引っ越しと同じような労力が必要とされるにもかかわらず、多くの人が業者に頼もうとしない。これはなぜだろうか。

 

「自分でやらなければ」
その思いが、心身の負担を増す原因のひとつに……

 

親の家の片づけを家族だけ、または自分ひとりで進めようとしてしまう理由として、引っ越しとは違う「家の片づけ」を行う業者があることへの認知度が低いこと、そして料金体制が不明確な業者が多いことも挙げられるが、何より「親家片」には心の問題がつきものだからだろう。

 

「その点はヤマトホームコンビニエンスでも、非常に気を使わせていただいている部分です。お客様は片づけることに対してプレッシャーを感じ、特に遺品整理の場合は精神的な不安や喪失感がある中で進めなければなりません。

お客様の心の負担にならないように、スタッフの価値観でものの選別をしないよう、できる限り配慮をしています。実際の現場を担当するスタッフからは、私どもが片づけをお手伝いさせていただくことで、お客様自身思い出にひたることなく、必要・不必要の判断をスムーズにされる場合が多いとよく聞きます」(山本さん)

 

親が遠方に住んでいれば、片づけに行くにも時間がかかる。移動だけで半日かかり、片づけのために宿泊ということになれば、出費もかさむ。週末のたびにそれを繰り返していれば、気持ちも体力もどんどん削がれていくのは当然だ。

 

とくに親が亡くなった場合、その死を受け入れられない状況で片づけをすることもある。賃貸や売却が決まっているケースでは、気持ちの整理がついていないのに、家を明け渡すまでの限られた期間でやらなければならないことが次々と押し迫ってくる。

 

専門業者に依頼することが広まれば、「大変さ」から解放される一歩に

 

思い出の品と向き合っていると目の前のことで頭がいっぱいになり、その先にやってくる「ものの大移動」が待っているところまで、気持ちがまわらない。自分たちですべてをやろうとして、どんどん深みにはまっていくのは、決してめずらしいことはでない。

 

「親の家の片づけは、心身とも想像以上に消耗するものだと思います。けれども、おかたづけサービスや遺品整理サービスをご利用いただいたお客様からは、大変だったという声を一度も聞いたことがないんです。単純に体力面での負担が減っているのも大きな理由だと思いますが、もしかしたら、第三者が入ることで、ものに対して客観視できるようになり、肉体的・精神的な負担から解放されるからなのかもしれません」

 

家の片づけはハウスキーパーに、介護はホームヘルパーにお願いすることがあたり前の国があるなか、日本は「自分たちの手でやらなければ」と、専門業者に頼むことに後ろめたさを感じる人も多い。しかし最近、メディアなどで親家片がクローズアップされるようになり、ヤマトホームコンビニエンスでも問い合わせ件数が増えているという。

 

引っ越しは専門業者に頼むというように、片づけサービスや遺品整理サービスも業者に頼むのが一般的な世の中になれば、親家片への向き合いかたも大きく変わってくるのかもしれない。

 

(終)

ヤマトホームコンビニエンス らくらくおかたづけパック http://www.008008.jp/life/okatazuke

メモリアル整理サービス http://www.008008.jp/life/memorial/

撮影/森安照 取材・文/小山まゆみ

 

山本氏プロフィールeditedヤマトホームコンビニエンス株式会社

生活支援ソリューションユニット 元ソリューションユニット長
山本晋輔さん

1998年ヤマト運輸入社。大きな家具家電を配送する「らくらく家財宅急便」の販売にともない、ヤマト運輸本社の営業担当に。2010年「らくらく家財宅急便」のリニューアルに携わり、2012年、「らくらくおかたづけパック」「メモリアル整理サービス」、2013年にはハウスクリーニング等を提供する「快適生活サポートサービス」の開発リーダーを務める。
ヤマトホームコンビニエンス
http://www.008008.jp/