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ふとんのプロ「東京西川」に聞く、親の家のふとんとのつきあいかた 第2回 ~ふとんに寿命ってある?~

親の家の片づけで大量に出てきた「ふとん類」。前回は、古くなったふとんがまだ使えるのかどうかを確かめる方法や、ふだんの手入れを教えてもらったが、収納のしかたもあわせて覚えておきたいところ。少しでもコンディションをよく保つためにすべきこととは。

 

ビニール袋は避けて収納、圧縮袋は膨らみ感が低下する場合も

 

「収納するときは通気性のいい袋に入れ、ビニール製の袋などは避けてください。昔は綿のシーツでふとんを包んで収納していましたが、布袋もいいと思います。今は100円ショップで不織布の袋もありますので、そちらでも大丈夫です」

 

ただ、ふとんの収納で困るのは「場所をとる」こと。ふとん圧縮袋で省スペースをはかりたいところだが……。

 

「圧縮袋がいけないわけではありませんが、ふとん自体のふくらみが戻らない場合もあります。とくに古いふとんほど戻りが悪いので、それは気をつけてください」

 

押入れやクローゼットなどに入れる場合は、下より上、なるべく湿気がたまりにくいところを選ぶようにするのは基本のキ。そのうえでのポイントは「壁につけない」ことだ。

 

「押入れは部屋と同じで、温度が上がったり下がったりしますが、壁自体は冷たいんです。冷たい壁に湿気を含んだ暖かい空気があたると結露現象が起こり、そこにふとんが触れると、カビやニオイ、変色の原因になります。ですから使わないふとんを保管する場合は、壁にふとんをなるべくくっつけないことが大切。すのこを敷いたり、ギュウギュウに押し込めない工夫をするとだいぶ違うと思います。できれば3カ月に1度は天日干しするのが理想ですが、それが難しいようでしたら、除湿シートを袋に入れておくのもいいですね」

 

ふとんは一生モノ!? 意外と短い「ふとんの見直し時期」

 

ふとんはいわば消耗品であり、いつかは使えなくなるときがくる。しかしその「使えるか使えないか」を判断するのは、個人的な感覚が大きく影響する。とくに、ふだん使っているわけではない実家のふとんは判断しにくく、親に「まだ使える」と言われればそこまでだ。ふとんに寿命などはあるのだろうか。

 

「ふとんの寿命は、掛けふとんで5年、敷きふとんで3年といわれています。人間は寝ている間にコップ約1杯分の汗をかきますが、汗はシーツを越えてふとんの中にも入っていきます。汗と一緒に皮脂の脂分も含まれていますから、その脂分で中の綿などがべトついてくるんですね。それが蓄積されると、中のもの同士がくっつき、膨らみ感がなくなってしまうんです。そうなると『かさ』が減り、だんだんと潰れていきます。こうなるまでが、だいたい5年くらいです」

 

リフォームをした場合はもっと長く使えるが、「快適に使える」寿命は意外と短い。

しかしその「快適さ」こそが個人によって異なり、池田さん自身も「ふとんにはハッキリとした寿命がない」と思っているのだそう。

 

古くなってぺしゃんこになった敷きふとん、側生地が破れ中の羽毛が出てしまった掛けふとん。本人がよければ必ずしも処分する必要はなく、むしろ固いせんべいふとんが好きだという人もいる。3年、5年というのは「処分」ではなく、「見直し」をする時期。それは「テレビと同じ」だと池田さんは言う。

 

「今のテレビは昔と違い、突然プツンと電源が落ちてしまうことはありませんから、『壊れて買い替え』ということは少ないと思うんです。でも家電量販店などで最新のモデルを見ると『うわぁ画面がキレイ』『機能が充実していて使いやすそう』など「そろそろかな……」と買い換えるケースが多いのではないかと思います。ふとんも同じで、毎日使っているものは劣化の具合がわかりにくい。でも新品のものを見たとき「うちのは結構潰れているな」と気づくんです。そのときが使う・使わないの見直しの時期だと思っています」

 

第3回へ続きます

撮影/森安照 取材・文/長澤幸代

 

東京西川池田さんプロフィール東京西川 品質管理室兼お客様相談室
室長 池田努さん
1982年西川産業入社。販売部門及び商品部門を経て、2006年から現在の部署に勤務。
社是の「誠実・親切・共栄」をモットーに、ご使用いただくお客様の声を大切にし、安心・安全で、快適な睡眠をサポート出来る寝具を世界中に広めることを目指して奮闘中。

東京西川 http://www.nishikawasangyo.co.jp/