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ふとんのプロ「東京西川」に聞く、親の家のふとんとのつきあいかた 第1回 ~古いふとんは再生できる?~

親家片経験者や現在進行中の人から、「この片づけに困った」と挙がるもののひとつに「ふとん」がある。押入れなどの収納場所に、とことん詰め込んだふとんや座ぶとん、最後いつ使ったのかわからない客用ふとん……。大量のふとんを前にして、処分すべきかどれを残すべきかと迷い、なかなか手がつけられなくなってしまうのだ。

 

枚数が多ければ処分するのもひと苦労だが、そもそも使える・使えないの目安はあるのだろうか。日常のお手入れから保管方法など、ふとんに関する基礎のおさらいも兼ねて、東京西川・品質管理室室長の池田努さんにお話を伺った。

 

「復元力」があるかが、まだ使えるかどうかのライン

 

「ふとんがまだ使えるかどうかを見極めるポイントは、ふっくら感の『復元力』で、それをチェックするためには干すのが一番です。ニオイや湿気をとるためにも、天気のいい乾燥した日に10~15時くらいの時間帯で天日干しをして、そのあと洗濯をします。洗濯機で洗えるものはご自宅で、敷きふとんなど厚手のものはクリーニング店やふとん丸洗い専門業者に。その仕上がりによって判断してもいいと思います」(池田さん)

 

とくに掛けふとんはふっくら感が保温性に繋がるため、復元力は確かめておきたいところ。ただ洗濯に関しては、古いふとんの場合は注意が必要だという。

 

「コインランドリーで洗濯される方もいらっしゃいますが、古いものですと、洗っているうちに側生地が破れてしまうこともあります。少し生地が傷んでいたりすると、そこが裂けて中の綿などが飛び散り、洗濯槽が大惨事になる可能性もありますので、おすすめできません」

 

古いふとんはセルフケアで再生させるのもひとつの手だが、ふとん専門店などにリフォームを依頼するのも選択肢としてはありだ。

 

「基本的に羽毛や綿わたのふとんはリフォームが可能です。羊毛も一部の店舗ではリフォームしているので、それは調べてから持参されるといいと思います。羽毛のリフォームは中の羽毛は洗ってキレイに、綿わたは打ち直しをし、復元力も蘇りますが、新品のものに比べると羽毛や綿の体力は落ちていますので、持ちが違ってきます。新品を100%とすると、リフォームでは80%くらいまで復活するというイメージです。でもリフォームした瞬間は、見違えるようなものになっていると思います」

 

綿わたふとんの場合は何度もリフォームできるわけではなく、2回ほどが目安。とくに羽毛ふとんはリフォームの依頼が多く、東京西川では年間で何千件とありその数は年々増えているという。

 

叩くのはダメ? ふとんの手入れは「払う」「吸う」

 

古いふとんも今使っているふとんも、日常の手入れは欠かせない。天日干しにしたあとは、叩き棒などでパンパンと叩いてほこりを落とす。叩くほどほこりが落ちる気がして、何度も叩く……。これまで何げなくしてきたことだが、実はふとんにとってNGなのだ。

 

「どのふとんでも同じですが、叩くことでふとんの中身を傷めてしまうので、何度も叩くようなことは避けてください。ホコリやダニの死骸は、叩くより掃除機を使ったほうが早く取り除けます。干したらタオルなど乾いた布で軽くほこりを払って、ふとんの縫い目の『谷』の部分もキレイにします。そのあと掃除機で吸うのが一番いいですね」

 

花粉などが気になる場合は、カバーをつけたまま干し、とり込む際にはずす(カバーは洗濯する)のもおすすめだ。

 

「季節の変わり目などで収納する場合、必ずふとんカバーは外してください。カバー自体が汚れているので、そのまま収納してしまうと次に出したときにカビがついている場合もありますから」

 

キレイに思えても、見えない汚れが原因でニオイやカビが発生する。しまう前には必ず湿気をとるために干すこともお忘れなく。

 

第2回へ続きます

撮影/森安照 取材・文/長澤幸代

 

東京西川池田さんプロフィール東京西川 品質管理室兼お客様相談室
室長 池田努さん
1982年西川産業入社。販売部門及び商品部門を経て、2006年から現在の部署に勤務。
社是の「誠実・親切・共栄」をモットーに、ご使用いただくお客様の声を大切にし、安心・安全で、快適な睡眠をサポート出来る寝具を世界中に広めることを目指して奮闘中。

東京西川 http://www.nishikawasangyo.co.jp/