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「日々是好日(にちにちこれこうじつ)」

親の家を片づける辛い日々の積み重ねが、
平穏な毎日につながるのかもしれません

 

先日、漫画家の弘兼憲史さんがパーソナリティーをつとめる、文化放送『ドコモ団塊倶楽部』というラジオ番組に出演させていただきました。ゲストは好きな言葉を書くというお約束があり(ゲストは通常は、いわゆる有名人や文化人の方たちなのです)、座右の銘などないぞ~と思いながら考えたのが、この「日々是好日」という言葉です。

 

「毎日が日々、平安で無事である」という意味の禅宗の言葉で、誰もが日々、そうであると願ってはいるけれど、現実はそうはいかない。でもどんな一日も、かけがえのない一日であり、これを懸命に生きれば、そのことが「日々是好日」につながる、という解釈がされているようです。

 

「なんで今、私にこういう状況が降ってきているんだろう!?」「人生最大の試練かも!?」と思ってしまうこともあるかもしれない「親家片」の日々にこそ、この言葉を思い出せたらなあと思って、この言葉を選びました。

 

「あまりにも大変だったので、当分思い出したくないんです」「親家片のせいで、姉妹の気持ちが決定的にすれ違ってしまい……」そんな声を聞いたこともあります。私自身も大量の親の荷物を必死で仕分けし、片づけているときは決して幸せな気持ちではありませんでした。が、親が長年生活をともにしてきたものたちを見ながら、親の人生も自分の過去も、少しずつ振り返り思い起こしていたのかなあと、今は思います。

 

おそらく親家片をしなかったら、自分が独立したあとの親の暮らしや、親の人生を考え理解することはなかったかもしれないなあと思います。もちろん、親家片の最中にそういう気持ちになれたらいいのですが。

 

心穏やかに親家片を進めるために、ひとりではやらないこと

 

ラジオの放送中に、リスナーの方たちから次々とファックスやメールが届きました。

反響の大きさに改めて驚きました。「どこから始めたらいいのかわからなくて……」という切羽詰まった声もいただきました。おそらく「どの作業から始めたらいいのか?」というご質問だったと思うのですが、まずは焦らずに、ひとりで始めないでください、と申し上げました。

 

親家片に直面すると、とにかく一刻も早くなんとかしないと! と気ばかり焦ってしまう方が大半です。賃貸や引っ越しなどで期限が決められていたりするとなおさらです。私もそうでした。でもまずは焦らないで、ひとりでやらなくていい方法を考えてください、と申し上げたいと思います。それが「日々是好日」な親家片の近道。なぜ、ひとりでやらないほうがいいのか、これにはさまざまな理由があります。それはまた後日ということに。