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新しい親家片スタイルを探すー30・40代の親家片ー 第1回〜先駆けスタートならうまくいく!?〜

親家片を終えた50代、60代の人のなかには、「どうしてもっと早く気づかなかったんだろう」「体力・気力に満ちた若いうちからやっておけばよかった」と悔やむ人も少なくない。

 

そんな話をよく耳にするうち、あるひとつの仮説が浮かんだ……。

 

「親子ともに元気なうちから親家片を意識したら、現在の親家片中心世代が直面しているような大変さとは無縁の、ラクで幸せな親家片になるのでは!?」

 

親家片未経験・34才、本サイト記者・浦上がこの仮説を検証するべく、まずは編集長・古戸にリサーチをしてみた。

「早めにスタートすれば、ゆったり&のんびり、和気あいあいとした親家片ができますか? できますよね!?」

 

子ども側からの押しつけは危険!
早めスタートの落とし穴に注意して

 

30代~40代前半の、働き盛り&子育て真っ只中世代の親たちは、50代後半から60代が中心。

まだまだ元気で、それほど「親の老い」を深刻に感じるときも少ない。むしろアクティブに趣味を楽しみ、旅行に出かけ、年齢を重ねるごとにパワフルになっていく印象すらある。

実家は自分が結婚する前にいたころと、そう変わらない。特段散らかっている雰囲気もない。

このタイミングで親家片を始めるとしたら、どんなところからスタートしたらいいのだろうか。

 

「親家片が世間に知られるようになって、『大変になる前に手を打ちたい!』と、若い子世代にも少しずつ問題意識を持つ人が増えてきたのかもしれません。でも親から頼まれてもいないのに、子どもが勢い込んで親の家の片づけを始めるのは、かなり危険かもしれません」。

 

勢いだけで片づけてしまうと「捨てさせられた」思いが残る場合もある

 

「親世代が60〜70代なら、まだまだ元気で自立した生活を送っている方がほとんど。子どもにアレコレ言われたくない、という気持ちもあるでしょう。また、子ども世代も若くて、老いがどのようなものなのかを実感することは難しい。

いつまでも元気でいてほしい、という気持ちが強いために、親が老いていくことからつい目をそむけてしまうかもしれません。

その結果、『昔はあんなにきれい好きだったのに』『なんでこんなにモノをため込んでるの?』と、非難するような言葉が出てしまい、お互いにイヤな気持ちになることも考えられますよね」。

 

-年齢とともに片づけられなくなるっていうから、今からシンプルな暮らしをしなきゃダメよ、お母さん!-

-必要ないものは、どんどん捨ててすっきりさせるべき!-

 

親が作り上げてきた生活スタイルに横やりを入れるような言葉をかけてしまうと、うまくいくどころか、摩擦を引き起こしてしまうことにもなりかねない、というのだ。

 

気力・体力も十分な若い子世代だからこそ、成果を求めて「捨てすぎてしまう」恐れも。思い出の品や古いアルバム、なんとなく捨てられなくてとっておいたものまで処分してしまう可能性もある。

 

親と一緒にある程度整理できたとしても、親が本心から納得できていなければ、『捨てさせられた』という気持ちがいつまでも残ってしまうという……。よかれと思っての親家片なのに、かえって親のさみしそうな顔を見ることになるなんて本末転倒だ。

 

「すっきりきれいで安全な家に片づければ、それで親家片大成功! というものではないと、始める前に心に留めておく必要があります。そのうえで、親子ともに元気だからできる、プレ親家片にチャレンジすれば、それはきっと来るべき本格的な親家片の助けにもなるのではないでしょうか」。

 

若い世代ならではの親家片とは、本格的に片づける前の地ならしのようなものなのかもしれない。

次回は、実践する前に「じょうずなプレ親家片」のシミュレーションをしてみます!

 

(第2回へ続きます)

 

取材・文/浦上藍子