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「親家片」適齢期、ベストタイミングって、本当にあるのでしょうか?

親が70代になったら? それとも親が元気なうちに始める? 

 

これから親家片を始めようと思っている方が、いまいちばん知りたいのは、

「私の場合は、どうやって親家片を進めるのがいいのか」ということかなと想像します。そして多くの方が、「もっと早く気づいていれば、大変な思いをしなくてもよかったのに」という思いも持っていると思います。

 

30代、40代の若い世代を中心に、親が元気なうちに、自分たちが応援しながら、親の家を自分で片づけてもらおう、という声が上がってきています。親が70代になったら、考えるべきという意見もあるようです。「親が元気なうちに」「親の意志で」自分の生活を見直して、その先、もっと安全に快適に、いつまでも元気に暮らせたらいいと私も思います。ただし、その時点で親家片は終了、というわけではなく、親がさらに年を重ねれば、また別の課題が生じてくると思います。そのことについてはまた別の機会に。

 

でも、せめてもう少し早く気づいていれば……それはなかなかむずかしいのです。

 

それはなぜかー親が少しずつ老いていき、体力や気力が衰えて、それまでの生活が少しずつ形を変えていくころ、子世代はだいたいが自分の人生を生きることに精いっぱいです。親はまだまだ元気だと子世代は思い、親は自分の老いを子世代には見せたくないと思い、子どもの前ではしゃきっと見せたりします。そしてそれが数年後には、大きな変化になって現れる、それがほとんどの場合です。だから、「もっと早く気づいていればという思い」は消えないとしても、そのことで自分を責めないでほしいなと思っています。

 

スタート時期を含め、コレという正解がないのが親家片

それでも、やっぱりベストタイミングというものがあるのでは? その答えは、あなたの中にあると申し上げましょう。あなたが親家片をどうしようかと思いついたときが、あなたのベストタイミングと思ってください。若い世代が、いまのうちから親の老いに寄り添って、コミュニケーションをとりながら、さりげなく親を後方支援してあげられたら、それはすばらしいことですし、体力気力の衰えを感じている世代の方には、親家片には大変役に立つ、人生経験に裏付けられた知恵がたっぷりあります。

 

そして、忘れてはならないのは、親子はともに年齢を重ねていくだけではなく、親子の関係がそれに伴って、どんどん変化していくことです。どんな親家片になるかは、それまでと現在の親子関係によっても、相当に違ってきます。「私の場合はどうしたら?」ということにそう簡単に答えが出ないのは、そこの複雑さがあるからなのです。

 

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